2017年12月

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七月の九州北部豪雨の際は、ご心配のお気持ちや、あたたかいご支援をいただきまして誠にありがとうございました。
あの豪雨の日から、もうすぐ半年が経ちます。私たちは豪雨から二週間近くたって、やっと土砂の入り込んだ家に入りました。部屋の中はまだ十センチほど水が溜まった状態でした。まだまだ梨畑の作業が終盤で忙しい時期でしたので、二日間ほど親族にお手伝いしていただき、家の中の物をほとんど運び出しました。その後また、収穫前に一日かけて、隣の「うきは市」に決まりました「みなし仮設住宅」に、とりあえず荷物を運び込むのみ出来ました。収穫・出荷作業が始まりまして、そのまま十月末まで実家の御座敷の御前で過させてもらい、十一月からやっとみなし仮設住宅へ移りました。現在もまだ、少しずつ洗い物をして片付けている状態です。
泥水に浸かって廃棄しなければならなくなった物・大切な思い出の品々がたくさんありましたが、私たちは命が助かり、仕事場である畑も大きな被害を受けませんでした。甚大な被害の出た災害の中、「本当に大切なもの」を失わずにすんでおります。
現在、朝倉市の状況は、いまだ二名の方が行方不明で、まだ土砂に埋もれた家屋もたくさんございます。河川は応急処置的な仮設砂防ダムが完成した箇所もありますが、石を入れた大きな袋を積み重ねた仮設堤防が多く見られます。数年では安心して過せる状態にならないようです。

今回初めて甚大な災害を実際に経験し、身にしみた感情がたくさんございます。自分の身に起こらなければ、本当の気持ちというものは解からないものだとつくづく感じました。何よりも感じたことは、遠くからお電話やお手紙でご心配いただきますことが、どれだけ心励まされることか。そのお言葉だけでたいへんありがたい気持ちでいっぱいでした。

この被災地へ思いを馳せていただきましたお気持ちを原動力に、生き残った畑でこれからも美味しい果実が実ってくれますよう、日々の作業がゆくゆくは地域の復興につながりますよう、想いを込めながら農業の道を歩んでまいります。