2017年7月

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まず、先日の対策の結果からご報告します。

①井戸を掘る→県内10業者以上にお伺いしましたが、水道断水で井戸掘りの依頼が多く、最速でも9月にしかほれないとのことで、稲の水がいる時期には間に合いません。

②水を川で汲みタンクに入れ、トラックで運び田に流す。→少しずつですが水を入れております。確実ではありますが、面積の限界があり、これだけでは田んぼが10a程度しか守れません。

お手上げ状態です。水路の水について組合では水はあきらめるとなっていますが、有志で再度、水路に水を引くことを考えております。これに賭けるしかありません。


さて、梨のほうですが幸水梨の収穫がいよいよとなります。
昨日、園を見ましたが一部収穫可能な梨がありました。今年は大雨災害がありましたが、日照時間自体は多く、糖度のある梨に育っております。予定通り、明日8月1日より収穫を開始します。(最初は量が取れません、本格的な出荷自体は5日あたりからとなります。)もう少しお待ちください。

本年も幸水梨をよろしくお願い申し上げます。



ダンプにタンクを載せて、せっせと水を運んでいます。梨の収穫が始まると、水運びも
難しくなります。


収穫間近の幸水梨:この梨はだいぶ色付がいいです。
水路の水が来ない、田んぼを守るため対策を練りました。
川近くの田んぼはそのまま川からのポンプアップしますが、残りの高台の田んぼ50aが問題です。

対策
①井戸を掘る(掘って水が出る補償はありません)
②水を川で汲みタンクに入れ、トラックで運び田に流す。

結論から言うと①、②両方をすることにしました。
①はボーリング業者を探しています。②は今日、実験をし2トンダンプに1kリットルタンクを2個つみ2回、合計4kリットル流してきました。時間は1回の運搬・放水に約30分の時間必要で、2回で1時間かかりました。この2回で潤った面積、わずか2a・・・・・。
全面積を潤させるのにを50回運搬しなくてはなりません。その間にも蒸発や浸み込むので、それ以上となります。

今回の大水害では水の恐ろしさを痛感しました。また、停電断水での飲み水の大切さを知り、そして稲を育てるための水の確保の大変さと大事なことを実感しました。
これまで、普段は普通に水がある生活・栽培でしたので気にしてはいませんでしたが、水の重要性が今回、身にしみてわかりました。


田の現状:ひびが入りこのままでは枯れてしまいます。対策を急がなくては。
杷木地域では、いまだ捜索が続いており、復旧はまだまだ始まったばかりです。被災された方々が多くいらっしゃいますので、大変心苦しいのですが、できる限りの配慮をしながら、これからの地域のこと、農業や農地のことを考えていかなければなりません。被災し地域を離れる方々、高齢化、農地復旧による費用負担など、この杷木地域の農地・農村の風景を再生するためには問題が山積しております。そして先日、水路組合にて堰や取水口・水路が崩壊し、灌漑用水確保をどうするかという会合が開かれました。市に働きかけ、川水をポンプアップし少しでも生き残った田畑を生かそうと提案をしましたが、残念ながら、負担の大きさに、組合では今年の稲をあきらめるという方向性が出てしまいました。地域の田が枯れていくのを見るのはとても辛いことです。
 私たちはいつも「今後も、この豊かな自然と田圃の風景を次世代にもつなげられるよう農業へ取り組み、みなさまに安心して食べていただけるために、農薬や肥料、作業内容など生産現場の見える環境づくりを行っていきたいと考えています。」とお伝えしております。何年かかろうが、この地域の再生・みどりあふれる豊かな風景を取り戻すために尽力してまいります。
 どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。


田の風景:水路の水は来ませんが、自己努力で田を維持していきたいと思います。
私たちの地域でも復旧・復興が少しづつですが始まっております。
しかし、今日の段階で朝倉市では5人の方がいまだ行方不明となっており、自衛隊・警察・消防の懸命の捜査が続いている状態です。

捜索のほかに、被災された方々への支援・生活再建を緊急的に対応しなければなりません。そして農作物への対応です。先日も書きましたが水路・取水口崩壊のため灌漑用の水が田畑に来ていません。梅雨もあけ、これから雨が降らないと枯れてしまい、水路流域は稲作が全滅の恐れがあります。(約20ヘクタール)

 水利組合の方々にポンプアップでの揚水をし、現在災害から生き残った田畑を残すための働きかけをしております。可能性がある限り地域の田園風景を残したいと考えての動きです。しかし問題もたくさんあります。費用と管理の問題です。
 赤谷川は川の氾濫や土砂崩れにより大量の砂が流れております。水と一緒にその砂を吸い込み流す恐れがあり、浚渫しないと水路が埋まってしまう可能性があります。また、ポンプを設置・運営するためのランニングコスト、小さな水利組合ではまかなうことができるか未知数です。そのような問題を抱えながら明日会合が開かれ方向性が決まります。

ぜひとも、いろいろなところにも力を借り、水利組合がひとつとなり、諸問題の壁を超えて、地域の田畑を守りたいと思います。


元水路取水口付近:取水口・水路は埋まっています。

元水路取水口下:捜索がまだ続いています。

元取水口より300m下流:ここまで埋まっています。この下流3箇所の崩落があります。

アパート:泥出し、家財道具の処分・片付けが一通り終わることができました。(農園は少しの被害、作業場・実家は被害がありませんでした)
7月5日から赤谷川の大水害により灌漑用水路の取水堰や取水口が完全に無くなり、また、水路自体が複数個所破損し稲生育に必要な水が水田まできておりません。

梅雨も明け、このままだと、数日で稲が枯れてしまいます。水路は当分使用ができないので、直接、川より水をポンプアップし確保しました。高低差もあり、泥水の上、砂がたくさんあるので、ポンプが故障しないように難しい作業となりました。

ホースを買ってきて、繋いだり悪戦苦闘の末3時間の作業でやっと水を送り出すことができました。

この水路流域の田畑の面積は約40ヘクタール、早期の復旧、仮設での水確保が望まれます。



赤谷川から直接水をとります。砂をかまないようにするのが難しいです。
写真のポンプ設置の場所は元々、梨畑があり、土砂で約3m堆積、埋もれています。

田の横は大水害により大きな被害がでており、まだ復旧に取り組みができておりません。

川より田まで、高低差約7m、ホース距離70mです。

10アールの田を潤すのに2時間30分ほどかかります。
今日は梨畑に大雨で流れ込んだ、瓦礫をかたづけました。
一部、大きな流木は人力では取り除けないので後日おこないます。

かたづけていると、写真や仏壇・家具・建具・建材の一部、生活用品があり、
上流では数十件の家屋が流失しておりますので、改めて大災害の恐ろしさを感じました。
1日かけてやっと終わることができました。明日は田の瓦礫をかたづけます。


梨畑のなかは運搬車と一輪車で瓦礫を集めます。

運搬車から軽トラックに載せ代えて、災害ごみ集積所へ運びます。

軽トラックで5台分の瓦礫がありました。
7月5日からの大雨の状況について、
時間が経つにつれ、被害の状況もわかってきました。

赤谷川の大水害により灌漑用水路の取水堰や取水口が完全に無くなり、また、水路自体が複数個所破損し
イネに必要な水が田まで来ないことが予想されます。最悪の場合は今年の米の収穫はなくなる可能性があります。

朝倉・杷木地域をはじめ、東峰村・日田市の甚大な被害に、今後の復旧についてどのようになるか非常に心配です。
また今後のこの大災害に加え、少子高齢化のこの過疎地域が復興するには、個人・地域のみならず多くの力が必要になると思います。これからは頑張り、再び私たちの地域に田園風景を取り戻したいです。



梨畑:川の水が畑に流れ込み瓦礫がのこりました。

梨畑の周辺:青いネットのところが梨畑です。周囲は濁流にのみ込まれました。

田からの被害写真:赤谷川の氾濫の後です。田園・家屋・堤防すべて土砂に流され、埋まりました。

畑へ行ける唯一の橋:瓦礫に橋が埋もれています。この橋以外は流失しました。